溶接または熱切断作業用

【酸素・アセチレンの取扱い上の注意事項】

溶接、溶断器使用時の逆火事故や火災事故が相変わらず発生しております。ガスや器具の取扱いを適正に行なうことで悲惨な事故を防止しましょう!

1.操作上の注意

①適正な器具の使用

ガスの種類や性質に応じた適正な規格の器具を使用する。ホースの色は酸素は青色、アセチレンは赤色、シールドガスは緑色、LPガスはオレンジ色で識別している。
調整器はガス別に専用のものを使用し、酸素ガスが通る器具は「禁油」仕様のものを使用する。

②バルブ操作

充填容器等のバルブは静かに開閉する。また作業中断時はバルブを閉じる。容器バルブには開閉ハンドルを常時取付けておくこと。使用後の容器は残圧のある状態でバルブを完全に閉めて返却する。

③点火と消火

吹管への点火は、先に可燃性ガスのみを点火し、次に酸素を出す。消火は先に酸素を止めてから次に可燃性ガスを止める。

④器具、設備の日常点検

使用の開始時及び終了時と、それ以外に1日1回以上は、調整器、ホース、吹管等の点検を行なう。ホースの連結部は必ずホースバンドで固定し、使用前に石鹸水等で調整器や吹管の接 続部、ホースの連結部から漏えいのないことを確認する。

⑤器具、設備の定期点検

容器を含む器具、設備の点検は法の定期自主検査に準じて1年に1度以上実施し、老朽化や期限切れ化等の問題があれば交換する。

[ホース]
ホースは硬化、摩耗したり、亀裂が生じていたりする場合は破裂したりガス漏れを起こす危険があるので新品と交換する。
[調整器]
調整器は7年で交換することが推奨されているので期限内に交換する。
[吹管]
ガス溶接器や切断器等の吹管は3年で交換することが推奨されているので期限内に交換する。
[逆火防止器]
購入後年1回以上の定期自主検査を行ない、3年ごとにメーカーの再検査を受けること。
(実質上は3年で交換することが望ましい。)

2.作業環境上の注意事項

ガスの使用場所には必ず消火器(B-10以上)及び充分な量の防火用水を備える。
容器の転倒転落防止を行なう。(チェーン、ロープ掛け)
車両に容器を積載した状態のまま使用しない。
高圧ガス容器は直射日光を避け40度以下に保ち、腐食防止のため湿気、水滴を避ける。
アセチレン容器は立てた状態で使用する。
作業場所から5m以内は、喫煙や火気の使用を禁止、また引火性物質特に油脂類を置かない。
火花の飛来するところに容器やホースを置かず、止むを得ない場合はスパッターシート等で火花を遮断して作業する。
酸素容器やガスの通り道にはオイル、グリス等の油脂類を付着させてはいけない。
可燃性ガスと酸素を使用して作業を行なう作業者は、ガス溶接技能講習修了者の修了証交付を受けた者であること。

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【逆火事故防止のための乾式安全器設置義務】

アセチレンガスで溶接または熱切断作業を行う時には、『逆火防止装置(乾式安全器等)』の設置が義務付けられています。

逆火防止器(乾式安全器等)の設置(一般高圧ガス保安規則第60条第1項13号)

消費先における高圧ガスの事故の原因を分析すると、点検不良・誤操作・認知ミス・作業環境の不具合等の、人為的ミスが元で招いた事故が最も高い割合を占めており、その中でもアセチレンガスに関わる事故が、消費先での事故件数に対して49%と約半数を占めています。この中でガス事故発生件数のうち「逆火」はいつもワースト3です。
この様な状況の中で、アセチレンに関わる事故防止の手段の一つとして、『逆火防止器の設置』が義務付けられています。

アセチレン調整器の溶損とホースの破裂・燃焼

アセチレン調整器の溶損とホースの破裂・燃焼

逆火による事故災害現場

逆火による事故災害現場

逆火により溶けた低圧吹管混合部(ミキサー部)

逆火により溶けた低圧吹管混合部(ミキサー部)

これを守らなかった場合、罰金30万円!

3.罰則(高圧ガス保安法第83条 第84条)

高圧ガス保安法第23条第2項・一般高圧ガス保安規則第50条に違反した者は、30万円以下の罰金に処せられる。(法83条)
違反行為をしたときは、行為者を罰する他、法人の代表者も両罰規定により罰金刑を科せられる。(法84条)

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【高圧ガス移動・運搬の基準について】

酸素・アセチレン・LPガス等の支燃性ガス及び可燃性ガスを車両に積載し、運搬する際には、下記の基準が設けられています。

1.警戒標識の掲出(一般高圧ガス保安規則第50条第1項1号)

『高圧ガス』と明記した警戒標識を車両に掲げる事。

①大きさ
警戒標は横寸法を車幅の30%以上、縦寸法を横寸法の20%以上とし文字で『高圧ガス』と記載したものを標準とする。ただし正方形の警戒標を用いる場合には、その面積を600cm2以上とする。
②色 彩
地色は黒、文字はJIS5673「安全色彩用蛍光塗料」蛍光黄色とする。
③取付位置
警戒標は、車両の前方及び後方から明瞭に見える場所に取付ける。

警戒標識

2.緊急防災工具の搭載(一般高圧ガス保安規則第50条第1項8号)

可燃性ガスまたは酸素を車両に積載して移動するときは、災害発生防止のための応急措置に必要な資材・工具等『緊急防災工具』を携行する事。<内容積20リットル以下で積載量が40リットル以下の場合は不要>

緊急防災工具

品名仕様
赤旗
赤色合図灯又は懐中電灯
メガホン
ロープ長さ15m以上の物2本以上
漏えい検知剤
車輪止め2個以上
容器バルブ開閉ハンドル移動する容器に適した物
容器弁グランドナット開閉器具移動する容器に適した物
皮手袋
木ハンマー
木栓

緊急防災工具

3.消火器の搭載(一般高圧ガス保安規則第50条第1項8号)

可燃性ガスまたは酸素を車両に積載して移動するときは、『自動車用消火器』を携行する事。

注.)自動車用消火器でなければ、消火設備として認められません。

消火器

移動するガスの量による区分消火器の種類備付け個数
消火薬剤の種類能力単位
圧縮ガス100m3又は液化ガス1000kgを超える場合粉末消火剤B-10以上2個以上
圧縮ガス15m3を超え100m3以下又は液化ガス150kgを超え1000kg以下の場合粉末消火剤B-10以上1個以上
圧縮ガス15m3又は液化ガス150kg以下の場合粉末消火剤B-3以上1個以上

※ 内容積20リットル以下で積載量が40リットル以下の場合は不要。

※ アセチレンは圧縮ガスとして 1kg=0.9m3 で換算する。混載の場合は合算してください。

消火器

4.移動中の災害防止のための注意書の携行(一般高圧ガス保安規則第50条第1項13号)

◎『イエローカード』等の移動注意書を携行する事。

黄色の台紙に、高圧ガスの名称・性状、事故発生時の応急措置、緊急連絡先等を記載した物で、積載しているすべての支燃性(酸素)・可燃性ガス(アセチレン・LP)について携行が義務付けられている。

黄色の台紙

イエローカード(移動注意書)

これを守らなかった場合、罰金30万円!

5.罰則(高圧ガス保安法第83条  第84条)

高圧ガス保安法第23条第2項・一般高圧ガス保安規則第50条に違反した者 は、30万円以下の罰金に処せられる。(法83条)
違反行為をしたときは、行為者を罰する他、法人の代表者も両罰規定により罰金刑を科せられる。(法84条)

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【容器管理の徹底と放置容器の事故防止】

高圧ガス容器が長期にわたり管理されずに放置された容器、『放置容器』による事故災害が頻発しています。

1.高圧ガス容器の盗難

近年の高圧ガス事故統計では容器の盗難事件が急増しており、これらの容器がテロ行為や悪質犯罪に利用されるケースが多く、警視庁はじめ関係行政当局は取締りを強化しています。

消費先における容器の保管、管理状況の再チェックをお願い致します。
また、事業所等ご使用場所での容器保管状況はもとより、出張工事現場等での容器の管理には細心の注意を払って下さい。

容器を積載したままのトラックが車両ごと盗難にあうケースが頻発しております。

2.老朽化容器の破裂事故

長期停滞容器の早期回収をお願いしてまいりましたが、容器が滞留しやすい学校研究機関や、使用を中断した容器が長期にわたり無管理状態になった施設で、容器の腐食や老朽化が進み破裂する事故が散発しております。

行政から『使用済みの高圧ガス容器は、直ちに高圧ガス供給事業者に返却することとし、残ガスのある容器であっても原則として6ヶ月以上継続して同一の消費事業所に留置しないこと。』(神奈川県高圧ガス容器管理指針)との通達も出ております。
消費先におかれましても、容器の受払管理台帳の作成や、管理責任者を選任し、高圧ガスを取り扱う従業員への保安教育等を実施していただき、放置容器に関わる事故が発生しないよう容器管理の徹底をお願いいたします。

長期間放置により腐食し、破裂した窒素ガス容器

長期間放置により腐食し、破裂した窒素ガス容器

高圧ガス容器の早期返却が容器の紛失や放置容器に起因する事故を防ぎます。

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